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関 正美; 前原 直; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 56-57, p.581 - 585, 2001/10
被引用回数:2 パーセンタイル:19.66(Nuclear Science & Technology)低域混成(LH)波は、トカマクを定常運転化し閉じ込め性能を向上できる。LH波用アンテナの工学的な課題は熱負荷対策で、耐熱性材料でアンテナを構築することが重要である。現在、耐熱性に優れた炭素繊維材を用いた開発を行っており、そのひとつはプラズマや高周波放電でダメージを受けやすいアンテナ先端部のみを耐熱化する型である。特徴はボルト締により交換可能としメンテナンス性を向上できることで、アンテナ先端部劣化による入射パワーの低下を防ぐのが目的である。開発のポイントは、導波管構造を持つSUS部材と炭素繊維材との接合方法の確立で、拡散接合を用いて成功した。今後、耐電力試験等を行い健全性を確認する。もうひとつの型は次世代の長パルス用の開発である。特徴は、LHアンテナを構成する電力分岐部全体が炭素繊維材で作られることで、高周波損失低減のため炭素材表面に銅の層を確実に着ける技術が重要である。そのために、チタンを緩衝材としたメッキ法やプラズマスプレー法を開発し、約50MW/m(3.7GHz)の耐電力特性を確認した。高周波放電を持続させないことで耐熱性LHアンテナ製作の目処を得た。
坂本 慶司; 今井 剛; 藤井 常幸; 池田 佳隆; 三枝 幹雄; 佐川 準基*; 永島 孝
IEEE Transactions on Nuclear Science, 14, p.548 - 553, 1986/00
トカマクプラズマの低域混成波帯加熱(LHRF加熱)用真空導波管型ランチャー中での単極マルチパクタ放電について、実験的、理論的研究を行った。磁場印加中の内面銅メッキされた導波管中を2GHz帯高周波電力が伝送されるとき、導波管による高周波電力吸収と、それによる導波管側壁の大きな温度上昇を伴った放電が観測された。この結果は単極マルチパクタ放電を仮定した計算結果とよい一致を示した。なお入射電力200kwにおける最大温度上昇率は、100C/0.1秒であった。JT-60のように長いパルスRF入射が行われる場合、このような放電がおこると導波管を溶かす恐れがあるが、導波管内壁にカーボン等の2次電子放出率の小さい物質をコーティングすることにより、単極マルチパクタ放電は完全に抑えられることが明らかとなった。